筑後事件(裁判傍聴記)

連日、様々な事件がテレビやネットで報道されている。
僕らは毎日それを聞いて、「またどこかで誰かがくだらない悪さをしているなぁ」などと、テレビやパソコン、スマホを見ながら思う。

その出来事はあくまで画面の中の事であり、自分には関係ないと思っている。
僕も裁判所に行くまではそうだった。
殺人事件や誘拐事件なんて、自分の世界には関係のない事だと思っていた。

けれどそれは大きな間違いで、「あっち」と「こっち」に境目なんて無く、何気無く暮らしている僕らと同じような「人間」が、被害者になり、時に加害者になる。

特に最近は、福岡の筑後地方で起きた、この一連の事件が注目を浴びている。
事件の概要
中尾知佐、中尾伸也両被告が経営する、リサイクルショップ「エース」と、両被告の家がその舞台。
彼らが行った犯行の様子もだが、被害者達の置かれた状況も、非常に特異なものだった。
被害者の中の日高さん、古賀さんは、両人ともこの「エース」の従業員だった。この二人は、中尾夫婦の命令で、互いに殴り合いをさせられている。
また、逃げないよう中尾夫婦の家の部屋に外から鍵をかけられて閉じ込められ、食事や、トイレも自由にできなかったという。仕方なくゴミ箱に排便をして、被告から激しい叱責を受けている。
これは、裁判で明らかになったことだ。
尼崎の事件など、「サイコパス型」の犯罪者たちが人を支配する時によく使う手だ。
その洗脳プロセスはこうだ

  1. 先ず容疑者は、最初は優しく、面倒見の良い人間性を前面に出す
  2. 最初は些細なミスの指摘から始まり、その数が増え、徐々に相手の自尊心を奪っていく
  3. 被害者は面倒を見てもらっている、ミスをした自分が悪いと責める心が大きくなり、自分を否定し始める、そして、否定し続けるようになる
  4. 容疑者の言動が荒くなるが、3の理由などから、それを「自分が悪い」「仕方のない事」と受け入れるようになってしまう。そしてそれが常態化する
  5. おそらく最初は軽い暴力から始まり、重度の暴力や、性的虐待が始まる。
  6. 被害者は逃げようと思い始めるが、容疑者の凶暴性や残虐性を目の当たりにし、無力感を感じる。つまり、「逃げられない」と思い込んでしまう。
  7. 殺人など、取り返しのつかないところに来てしまう。

この事件の奇妙で興味深いところは、その突出した猟奇性にある。
被害者同士を殴り合いさせ、団結できないようにし、食事や連絡手段を奪い、体力と情報を奪う。
実はこれが非常に大きな影響を及ぼす。オウム事件でも用いられた洗脳方法だ。
奴隷というのは、実は牢に鍵をかけるのは最初だけで良いそう。出た方がよりひどい目にあうと思えば、そこからは出られないものらしい。もはや、出ようと思わなくなる。牢に鍵がかかっていなくても。

今、あなたはここまで読んで「怖っ」と思った人も多いだろう。
でも、少し立ち止まって考えてみてほしい。あなたが行っている行動は、本当に自分で選択しているものですか?

今回の事件は、大まかにそんなことを思いました。
冒頭の絵は知紗被告の似顔絵です。

ということで、続きはwebで!

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