移住の基本について考えてみた。

先日も色々と書いたが、田舎は面白い。田舎出身で都会に出てきた人は、その魅力には気がつかないらしい。
僕が田舎の魅力について熱く語ったところで、「都会人の幻想」だと笑い飛ばされてしまう。

福岡には、全国的にもネットや雑誌で有名な「糸島シェアハウス」がある。
彼らの生活はCasaなどのおしゃれ雑誌に載ったり、地元のテレビ局が取り上げたりして憧れの的になっている。
しかし、その情報は一部を切り取って報道されている。
多くの人はそういう切り取られた情報によって、田舎暮らしのイメージを膨らませているように僕には思える。
田舎暮らしと言えば、農業をやりながらblogや執筆をし、晴耕雨読の生活をするというイメージを、みんな持っているだろう。

1.実際は、そんなに甘いものでは無い。

自給自足と言ったところで、考えてみてほしい。

もし仮に、あなたが土地も畑も持っていて、十分に農業をやるスキルも持っていたとする。
しかし、あなたも人間です。
虫歯になることもあれば、アテにならないとは言え、国民年金を払う事も無視できないだろう。(裏技はあるが)
つまり、国民健康保険や、国民年金の支払い。その他電気やガス、水道などのインフラを使用するためには、どうしても現金を稼ぐことと向き合わざるを得ない。
移住がパラダイスのように報じられるが、しっかりと「しごと」の事を考えなくてはならない。

2.コミュニティの力をナメてはいけない

田舎暮らしでやって行くためには、1人ではダメだ。
何故なら、田舎暮らしでは様々な共同作業が発生する。例えば、田んぼの水だ。
知らない人も多いと思うが、田んぼの水は一つの水源でつながっていることが多い。
水を入れるのも、抜くのも、割とタイミングを合わせなくてはならない。
田植えや稲刈りなど、人手が必要な作業も、共同体全員で行うことが必要になる場合がある。

だから、コミュ障ではダメだ。
糸島シェアハウスの成功は、集落のコミュニティをとても大事にして勧めてきた事が大きいと思う。
彼らは共同体の行事には必ずと言っていいほど参加し、集落の人たちに自分たちの試みを理解してもらうよう、最大限の敬意を払っている。
結果、彼らは住居や畑を自由に使えている。

3.何にコミットするか考えているか

これまで書いてきた事を考えてもらうとわかるが、地方に移住し、自給自足の生活をするのは甘く無い。
特に大きな変化として、会社員でやってきた方は、現金収入が激減もしくは0になる事を考えなくてはならない。

でも、移住や転職を考えるみなさんは、本来それを覚悟しているはず。
たとえ現金収入が少なくなろうとも、自分の思うように生きたいと思ったから行動しようとしたはずだ。
だから是非、考えてみてほしい。
現金収入は失うかもしれない。高級セダンに乗る機会はなくなるかもしれない。オートロックの広くて綺麗なマンションに住めなくなるかもしれない。
でも、何を得るかを是非考えてみてほしい。
得るものが大きければ、本当に得るものにフォーカスできていれば、きっと後悔しない決断ができると思う。

これが、僕が思う移住の基本。決意の基本だと思う。

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